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訪問リハビリはきつい?20代PTが語る本音とメリット

「訪問リハビリって給料高いらしいけど、きつそう…」

「まだ2年目なのに、一人で利用者さんの家に行って大丈夫かな」

「病院より楽しそうだけど、経験が浅いと通用しない気がする」

転職サイトを開くと、訪問リハビリの求人がずらっと並んでいますよね。給料も高い。でも、なんとなく「PT上級者向け」のイメージがあって、応募ボタンを押せずにいる。20代のPTなら、一度は感じたことがあるはずです。

私は2年目で限界を感じて転職しました。回復期と外来のある大きめの病院から、整形外科クリニックへ。今は外来をメインに、訪問リハビリも兼任しています。転職後は整形分野に専念できるようになり、入退院書類の山からも解放され、残業もほぼゼロ。勉強会に行く気力が戻ってきました。

そんな私が、最初に結論を言います。

訪問リハビリは、きつい瞬間もあるけれど、20代で経験する価値は間違いなくあります。

解放感が病院とはまるで違います。外回り、最高です。

この記事では、訪問リハビリが「きつい」と言われる理由と、私が実際に働いて感じたメリット・デメリットを、20代のリアルな目線で解説します。あわせて、未経験・経験浅めでも失敗しない職場の選び方までまとめました。

読み終わる頃には、「自分は訪問リハに向いているのか」「今の経験年数で動いていいのか」の判断材料が手に入ります。求人票を見て迷う時間が、そのまま行動に変わるはずです。

転職でどの分野に進むか迷っている方、訪問リハビリが気になるのに一歩踏み出せない方は、ぜひ最後まで読んでください。

「経験を積んでから」と待っている間に、動いた同期は先に進んでいます。

目次

訪問リハビリが「きつい」と言われる3つの理由

まず、不安の正体をはっきりさせておきましょう。「きつい」と言われる理由は、だいたい次の3つに集約されます。

一人で判断する場面が多く、責任が重く感じる

病院なら、隣に先輩がいます。「これ、どう思います?」と3秒で聞ける。

訪問は違います。玄関を開けた瞬間から、その場にいるPTは自分だけです。

たとえば、いつもより血圧が20mmHg高い。下腿のむくみが前回より明らかに強い。奥さんが「昨日から食欲がなくて」と言う。この状況で、今日リハビリをやるのか、内容を落とすのか、看護師やケアマネに連絡するのか。全部その場で決めます。

20代のPTが「きつそう」と感じるのは、技術の話ではなく、ほぼこの一点です。

きついのは技術が足りないからではなく、「一人で決める」という感覚に慣れていないだけです。

そして、この感覚は3か月もすれば普通になります。むしろ、判断を自分でする経験は、病院にいるだけでは絶対に積めません。

移動と天候に体力を削られる

1日5〜6件、車で15〜30分ずつ移動する。リハビリ自体は40分でも、間の移動と記録で1日が埋まります。

夏は最悪です。エアコンのない和室で40分間、汗だくで運動指導をして、次は40℃近い車内に戻る。冬は逆に、暖まる前に到着します。

病院の空調が効いた室内で1日を過ごすのとは、体力の減り方がまったく違います。ここは正直に言っておきます。

相談できる先輩がその場にいない

事業所に戻るのは夕方です。昼に抱えた「この人の膝、装具の適応じゃないか?」という疑問を、半日持ち歩くことになります。

ただし、これは職場によって天と地ほど差があります。チャットで写真を送ればすぐ返ってくる職場もあれば、週1のミーティングまで誰にも聞けない職場もある。

「一人で働く」と「一人で抱える」は、まったく別物です。

見学のときに必ず確認すべきポイントなので、後半で詳しく書きます。

それでも私が訪問リハビリを「楽しい」と感じる5つのメリット

きつい面を先に書きましたが、それでも私は訪問の日が好きです。理由は5つあります。

病院特有の人間関係の圧迫感がない

朝礼、カンファ、詰所の空気、先輩の視線、誰かの機嫌。病院で消耗していたものの正体は、実はリハビリそのものではありませんでした。

訪問は、移動中は完全に一人です。利用者さんとご家族には気を遣いますが、それは「職場の空気」とは種類が違う疲れ方をします。

人間関係の消耗がゼロになるだけで、同じ仕事量でも驚くほど軽くなります。

単価が高く、20代でも給料が上がりやすい

ここは感覚論ではなく、制度の数字で説明できます。

介護保険の訪問リハビリテーション費は、1回20分につき308単位(2026年8月時点)。1単位はおよそ10円なので、20分で約3,080円、40分で1件回れば約6,160円が事業所に入ります。

一方、私が働く整形外科クリニックの外来で算定している運動器リハビリテーション料(Ⅱ)は170点。つまり20分で1,700円です。

20分あたりの報酬
訪問リハビリテーション費308単位 ≒ 3,080円
運動器リハビリテーション料(Ⅱ)170点 = 1,700円

同じ20分、同じPTが1人動いて、入ってくるお金が約1.8倍違います。訪問の求人が病院やクリニックより高い給与を提示できるのは、気合いの問題ではなく、この構造があるからです。

「訪問は給料が高い」は噂ではなく、点数表を見れば分かる事実です。

さらに2026年6月の臨時改定で、これまで対象外だった訪問リハビリテーションに介護職員等処遇改善加算が新設されました。加算率は1.5%、月1万円程度の賃上げが目安とされています。国が訪問リハの待遇に手を入れ始めたタイミング、ということです。

ただし、ここは正直に書いておきます。単位数はあくまで事業所に入るお金であって、そのまま給料になるわけではありません。移動時間もキャンセルも記録の時間も、売上は生みません。原資が大きいぶん給与に反映されやすい、というだけです。

だから求人を見るときは、額面ではなく「基本給」「件数手当」「賞与の算定基礎」の3点で並べてください。基本給を低く抑えて件数手当で盛っている求人は、賞与で必ず差が出ます。

※単位数・点数は2026年8月時点のものです。介護報酬の次の通常改定は2027年度、診療報酬は令和8年度改定(2026年6月施行)で疾患別リハビリテーション料の点数は据え置きとなっています。

利用者との関係が密になり、やりがいが大きい

生活の場に入るので、情報量が桁違いです。仏壇の写真、庭の手入れ、台所の高さ、玄関に置いてある杖の使い込まれ方。

雑談から出てくる目標も具体的です。病院では「お風呂に入れるようになりたい」だった人が、家では「来年の孫の結婚式で、椅子から立って挨拶したい」に変わります。

目標設定が本当に上手くなるのは、生活を見た人だけです。

生活環境に合わせたリハビリでスキルが伸びる

平行棒はありません。プラットフォームもありません。あるのは、幅80cmの廊下と、18cmの上がり框と、つかまるのにちょうどいいテーブルです。

この環境で何ができるかを考える作業は、教科書的な運動療法とはまったく別のスキルです。動作分析が「評価」ではなく「実戦」になります。

20代のうちにこれを経験しておくと、その後どの分野に行っても効きます。私が訪問を勧める最大の理由がこれです。

移動時間がそのままリフレッシュになる

車の中で音楽を聴く、音声学習を流す、コンビニでコーヒーを買う。次の家までの15分が、切り替えの時間になります。

病院にいた頃は、休憩室でも気が抜けませんでした。この差は思っている以上に大きいです。

実際に働いて感じた訪問リハビリのデメリット3つ

きれいごとだけ書いても意味がないので、正直な部分も書きます。

家の衛生面は正直、覚悟がいる

ペットの毛、床の埃、においが強い家。これは一定の割合で必ずあります。

対策としては、自分用のタオルを持つ、手指消毒を徹底する、上着は車に置いて入る、といった運用でかなり軽減できます。

これは慣れの問題です。ただし、慣れるまでの数か月は正直しんどい。

ここを「無理」と感じる人は、訪問は向いていないかもしれません。自分の感覚を正直に見ておいてください。

夏と冬の気温・天候がこたえる

雨の日は、駐車場所を探し、傘を差し、濡れた靴で玄関に立ちます。台風の日でも訪問はあります。

対策は一つで、1日の訪問件数の上限を決めている職場を選ぶことです。8件詰め込む事業所と、5件で回す事業所では、消耗が倍以上違います。

担当が固定でマンネリ化しやすい

半年、1年と同じ方を担当します。維持期の方だと、変化が小さい期間が続きます。

そのまま流すと、自分が先に飽きます。私は3か月ごとに評価を取り直して、ケアマネや看護師と目標をすり合わせ直すようにしています。

マンネリは利用者のせいではなく、評価をサボった自分の責任です。

20代で訪問リハビリに向いている人・向いていない人

向いている人の特徴3つ

  1. 一人で動く時間が苦にならない/移動中に誰とも話さない日があります。それが快適に感じるなら適性は高いです
  2. 人の生活に興味がある/家の中の物、家族関係、地域の事情。これを面白いと思えるかどうか
  3. 正解が決まっていない状況を楽しめる/手すりがない家でどう立ち上がらせるか、を考えるのが好きなタイプ

向いていない人の特徴3つ

  1. 誰かに見てもらいながら技術を固めたい/1〜2年目で基礎に不安があるなら、先に病院で1年積む選択も正解です
  2. 急性期・回復期の専門性を極めたい/訪問は広く浅くになりがちです。方向性が違います
  3. 運転が強いストレスになる/これは慣れません。毎日2〜3時間運転する仕事だと考えてください

「向いていない」のではなく、「今じゃない」だけかもしれません。

適性がないのではなく、タイミングの問題であることは多いです。1年後に同じ求人を見て、まったく違う感想を持つこともあります。

経験2〜3年目でも訪問リハビリに転職できる?

20代の相談で一番多いのがこれです。結論から言うと、できます

実際の求人に多い「経験3年以上」の実情

求人票の「経験3年以上」は、多くの場合ハードな足切りではなく目安です。リハ職の人材不足は続いていて、2年目でも面接まで進めるケースは珍しくありません。

ただし、この条件が書かれている理由は考えてください。「3年」と書く事業所は、一人で判断できることを前提に人員配置している可能性があります。つまり、教育体制が薄いかもしれない、というサインでもあります。

同行期間があれば経験が浅くても回せる

分かれ目はここです。

  • 先輩と1か月同行してから独り立ち
  • 3日同行して翌週から一人

同じ「未経験可」でも、この2つはまったく別の職場です。私の職場は同行から始まりました。だから2年目の私でも回せました。

経験年数より、育てる仕組みがあるかどうかで決まります。

訪問リハビリへの転職で失敗しない3ステップ

①転職エージェントで求人と職場のリアルを集める

まずは情報を集めるところからです。訪問リハビリは、求人票の情報だけでは職場の実態がほとんど分かりません。1日の件数、同行期間、記録をどこで書くか。この辺りは中の人に聞かないと出てきません。

私自身も転職のときにレバウェルリハビリに登録して相談しました。担当の方は介護保険分野の求人に詳しく、訪問リハビリや訪問看護ステーションの求人情報をかなり持っていました。

私は最終的に整形外科クリニックを選んだので別の会社経由で決めましたが、訪問リハビリを狙うなら相性はいいと思います。介護保険領域に強いエージェントなので、まさにこの分野の情報が集まります。詳しくはレバウェルリハビリの評判|現役PTが正直レビューにまとめました。

登録は無料です。今すぐ転職しなくても、求人を見せてもらうだけで「自分の市場価値」と「訪問リハの相場」が分かります。

②クリニック併設で外来と兼任できる職場を狙う

100%訪問がいきなり不安なら、兼任という選択肢があります。私がまさにこれです。

外来で徒手療法と評価のスキルを磨きつつ、週の何日かは訪問に出る。整形の専門性を捨てずに、生活期の経験も積めます。整形外科クリニックという選択肢については理学療法士の転職に整形外科がおすすめな5つの理由と選び方で詳しく書いています。

もう一つのメリットはリスク分散です。「思っていたのと違った」となったときに、いきなり転職を考えなくて済みます。

いきなり全部を賭けなくていい。20代なら、片足から入る選び方があります。

③見学で「同行期間」と「1日の訪問件数」を必ず確認する

面接・見学で必ず聞くべき5つです。

  1. 独り立ちまでの同行期間はどれくらいですか
  2. 1日の訪問件数の上限は決まっていますか
  3. 移動手段は社用車ですか、自家用車ですか。ガソリン代・駐車場代の扱いは
  4. 記録はいつ、どこで書きますか(訪問先/事業所/持ち帰り、で残業が決まります)
  5. 訪問中に判断に迷ったとき、すぐ相談できる相手はいますか

特に4番目です。「記録は各自で」と言われたら、実質的なサービス残業がある可能性を疑ってください。

訪問リハビリに関するよくある質問

訪問リハビリの給料はどれくらい?

病院・クリニック勤務より高めに設定されている求人が多いです。前述のとおり、訪問リハビリテーション費は20分308単位(約3,080円)で、外来の運動器リハビリテーション料(Ⅱ)170点(1,700円)の約1.8倍。原資が大きいぶん、給与に反映されやすい構造です。

ただし基本給が低く、件数手当で上乗せする構造の職場もあるため、額面だけで比較すると失敗します。「基本給」「件数手当」「賞与の算定基礎」の3点で並べてください。

車の運転が苦手でも大丈夫?

正直、毎日乗るので慣れは必要です。ただし都市部には自転車・電動自転車で回る事業所もあります。エリアによって選択肢があるので、エージェントに条件として伝えてください。

訪問看護ステーションと訪問リハビリ事業所の違いは?

ざっくり言うと、所属と制度上の位置づけが違います。訪問看護ステーションからのリハビリは「訪問看護」の枠でPT・OT・STが訪問する形、訪問リハビリテーション事業所は病院・診療所・老健に併設され「訪問リハビリテーション」として提供される形です。医師の指示の出方や連携する職種が変わるので、求人を見るときは必ずどちらかを確認しましょう。

まとめ|訪問リハビリは20代で挑戦する価値がある

最後に整理します。

きつい理由

  • 一人で判断する場面が多い
  • 移動と天候に体力を削られる
  • その場に相談相手がいない

それでも得られるもの

  • 人間関係のストレスからの解放
  • 20代でも上がりやすい給与(20分308単位という制度上の裏づけ)
  • 生活の場でしか身につかない動作分析のスキル

きつい部分は、ほとんどが「職場選び」で軽くできます。同行期間があって、件数の上限が決まっていて、すぐ相談できる相手がいる。この3つが揃っている職場を選べば、2年目でも十分回せます。

私は2年目で動きました。あのとき「もう少し経験を積んでから」と待っていたら、今も入退院書類に追われながら、同じ求人票を眺めていたと思います。そのときの本音は理学療法士辞めてよかった|2年目で転職した本音と後悔に書きました。

情報を集めるのはタダです。動くかどうかは、集めた後で決めればいい。

まずはエージェントに登録して、訪問リハビリの求人を実際に見てみてください。求人票を見る目が変わるだけでも、この記事を読んだ価値はあります。

そしてもう一つ。転職と並行して、収入の柱をもう1本作っておくことを強くおすすめします。私はブログを始めてから、「この職場を辞めたら生活できない」という感覚がかなり薄まりました。やり方は理学療法士の副業はブログがおすすめな5つの理由にまとめています。

転職の選択肢を増やす一番確実な方法は、職場に依存しない収入を持つことです。

参考(出典)

※本記事の単位数・点数は2026年8月時点の情報です。最新の情報は厚生労働省のサイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

アラサーの理学療法士。
妻と子どもの3人暮らし。

ブログ歴4年。
転職成功で21時サビ残→毎日定時退社。
苦労して取った国家資格を活かしながら、
高収入でゆとりのある暮らしを模索中。
筋トレ、野球が好きです。

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