「もう30代。体力的にキツくなってきた…」
「この先もずっと病院で働き続けるのかな」
「理学療法士の資格を活かして、ほかの仕事もしてみたい」
こんな悩みを抱えていませんか?
理学療法士の仕事は体力勝負です。年齢を重ねるほど「この働き方をあと何十年も続けられるのか」と不安になりますよね。
私自身も、この先ずっと現場で働けるのか不安に感じたことがあります。そこで転職サイトで一般企業の求人を探してみると、理学療法士の経験を活かせる仕事が意外と多いことに気づきました。
例えば…
- 靴メーカーの企画
- 営業職
- 治験コーディネーター
- フィットネスジムの運営
- ストレッチ教室
この記事では、理学療法士のセカンドキャリアの選択肢と、30代で後悔しないための準備の進め方を、キャリア相談の視点も交えて解説します。
読み終わる頃には、「臨床を続ける道」と「病院の外に出る道」を比べたうえで、自分に合った次の一歩が見えているはずです。
この先の働き方に少しでも不安がある人は、ぜひ最後まで読んでください。
セカンドキャリアは、辞めてから探すものではなく、働きながら育てるものです。
結論:セカンドキャリアは「辞めるかどうか」より「選べる状態」を作れるかで決まる
先に結論をお伝えします。理学療法士のセカンドキャリアで大切なのは、「今すぐ辞めるかどうか」ではありません。臨床を続ける道も、病院の外に出る道も、いつでも選べる状態を作っておくことです。
選べる状態とは、次の3つがそろっていることです。
- 自分のスキルを「病院の外の言葉」で説明できる
- 求人や自分の市場価値を知っている
- 本業以外に、小さくても収入の柱を持っている
この3つがあれば、30代でも40代でも、焦らずに次の一歩を選べます。
焦って辞める人より、準備しながら働く人の方が、選択肢はずっと多くなります。
理学療法士がセカンドキャリアに悩むのは当然のことです
30代は、体力の変化、結婚や子育て、昇給の頭打ちなど、働き方を考えるきっかけが一気に重なる時期です。
しかも理学療法士は、目の前の患者さんに向き合うほど、病院の外の世界を見る時間がなくなります。「このままでいいのかな」と感じても、何から考えればいいのか分からないのは自然なことです。
キャリア相談の視点で見ても、30代は「最初に選んだ道」を見直す人が多いタイミングです。悩むこと自体は、まったくおかしくありません。
悩んでいるのは、あなたが弱いからではなく、真剣に働いてきたからです。
本当の問題は「理学療法士以外の自分」を知らないこと
多くの人は、セカンドキャリアを「臨床を続けるか、辞めるか」の二択で考えます。でも本当の問題は、理学療法士としての自分しか知らないことです。
例えば、毎日の臨床でやっていることは、病院の外ではこう言い換えられます。
- 動作分析 → 人の動きを観察して、課題を見つける力
- 患者さんへの説明 → 専門的な内容を、分かりやすく伝える力
- 自主トレ指導 → 相手に合わせて、行動を変えるきっかけを作る力
私も転職サイトで一般企業の求人を見たとき、営業職や企画職で求められている力が、臨床で毎日やっていることと重なっていて驚きました。
資格を手放す必要はありません。資格の「外側」にいる自分を知ればいいのです。
理学療法士のセカンドキャリアがうまくいかない3つの原因
原因①:給料が上がりにくく、10年後の自分が描けない
理学療法士の収入は、診療報酬の仕組みで売上の上限がほぼ決まっています。そのため、経験年数を重ねても給料が大きく上がりにくいのが現実です。
管理職のポストも限られています。私が以前働いていた病院では、管理職が全員外部からの採用で、内部から出世する道が見えませんでした。
10年後の自分が想像できないと、今の仕事に前向きになれず、かといって次の道も決められない状態になりがちです。
給料が上がらないのは、あなたの努力不足ではなく、仕組みの問題です。
原因②:臨床スキルを「病院の外の言葉」で説明できない
一般企業に応募しようとしても、履歴書に「〇〇病院でリハビリを担当」としか書けない人は少なくありません。
企業の採用担当者は、医療の専門用語を知りません。「何ができる人なのか」が伝わらないと、どれだけ臨床経験があっても評価されにくくなります。
「何ができるか」を言葉にできない人は、どれだけ優秀でも選ばれにくいのです。
原因③:情報収集と準備を「辞めてから」始めてしまう
心も体も疲れ切ってから辞めると、収入が途切れる焦りから、次の職場を十分に比べずに決めてしまいがちです。その結果、また同じ悩みを抱えることになります。
働きながら準備していれば、「条件が合わなければ今の職場に残る」という選択もできます。この余裕が、後悔しない判断につながります。
準備は「辞めたい」と思った今日が、一番早いスタートです。
理学療法士のセカンドキャリアの選択肢6つ
選択肢①:職場を変えて臨床を続ける(整形外科クリニック・訪問リハビリなど)
悩みの原因が体力的な負担や残業なら、仕事を変えなくても、職場を変えるだけで解決することがあります。
私は2年目に、回復期や外来のある病院から整形外科の外来に転職しました。残業はほぼなくなり、入退院の書類からも解放されました。職場は家から5分圏内で、整形外科分野に専念できるようになり、勉強会に行く気力も戻りました。
「理学療法士を辞めたい」のではなく、「今の職場が合わないだけ」というケースは意外と多いです。
選択肢②:管理職・教育の道に進む
主任や科長などの管理職、臨床実習の指導者、養成校の教員といった道です。臨床で積み重ねた経験を、人を育てる形で活かせます。
ただし、管理職のポストは限られており、養成校の教員は大学院の学位を求められることも多いです。今の職場にその道があるのか、早めに確認しておきましょう。
選択肢③:ケアマネージャー(介護支援専門員)になる
ケアマネージャーは、介護が必要な人のケアプランを作り、介護サービスの調整を行う仕事です。体を使って施術するよりも、相談や書類作成、関係者との調整が中心になるため、体力的な負担を減らしたい人に向いています。
理学療法士は、資格を持って5年以上(従事日数900日以上)働けば、ケアマネージャーの試験を受けられます。試験に合格し、実務研修を修了すると、ケアマネージャーとして働けます。
厚生労働省の発表によると、2025年に行われた第28回ケアマネージャー試験の合格者のうち、理学療法士は4.8%でした。64.1%を占める介護福祉士や、16.2%の看護師・准看護師と比べると、ごくわずかです。第1回からの累計で見ても、理学療法士は2.6%にとどまります。
出典:第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について(厚生労働省)
だからこそ、「この人は自宅でどこまで動けるか」「どんな福祉用具や住宅改修が必要か」を見立てられる理学療法士のケアマネージャーは、利用者さんにとっても事業所にとっても貴重な存在です。
一方で、書類仕事や電話での調整が多く、直接リハビリをする機会はほとんどなくなります。「患者さんの体を直接見る仕事が好き」という人は、その点を理解したうえで考えましょう。
選択肢④:一般企業へ転職する(医療機器・福祉用具・ヘルスケア企業)
医療機器メーカーの営業、福祉用具の会社、靴メーカーの企画、治験コーディネーター、ヘルスケア企業などがあります。体や医療の知識を持っていることが、そのまま強みになる仕事です。
一方で、未経験の職種に移ると最初の年収が下がることもあります。営業目標など、医療とは違う評価のされ方にも慣れる必要があります。詳しくは「理学療法士から一般企業への転職は難しい?実体験で解説」の記事で解説しています。
治験コーディネーターの求人は、リハビリ職向けの転職サイトであるレバウェルリハビリでも見かけました。医療の知識が活かせる仕事は、意外なところにもあります。
選択肢⑤:フィットネス業界で働く・独立する(ジム運営・ストレッチ教室・パーソナルトレーナー)
体の専門知識を、保険の枠にしばられずに活かせる道です。患者さんではなく、健康な人や「もっと良くなりたい人」が相手になります。
フィットネスジムの運営スタッフや、ストレッチ教室のトレーナーとして会社に勤める道もあります。体の仕組みを理解した理学療法士は、利用者さんへの説明やけがの予防でも頼りにされます。
ただし、独立すると集客も自分で行う必要があります。いきなり独立するのではなく、まずはジムやストレッチ教室で働いて現場を知るか、副業として小さく始めるのがおすすめです。
選択肢⑥:副業で収入の柱を増やす
本業の理学療法士を続けながら、収入源をもう1つ作る方法です。ブログ、トレーナー活動、せどりなど、さまざまな形があります。
始める前に、職場の就業規則で副業が認められているかを必ず確認しましょう。
6つの選択肢を、比べやすいように表にまとめました。
| 選択肢 | 体力の負担 | 収入の見通し | 始めるまでの準備 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①職場を変えて臨床 | 職場しだいで減らせる | 大きくは変わらないことが多い | 転職活動 | 理学療法士の仕事そのものは好きな人 |
| ②管理職・教育 | 少なめ | 役職手当などで上がることも | ポストの空き、教員は学位 | 人を育てるのが好きな人 |
| ③ケアマネージャー | 少なめ | 職場によって異なる | 5年以上の実務経験、試験、研修 | 利用者さんの生活全体を支えたい人 |
| ④一般企業 | 職種しだい | 一時的に下がることも、伸びしろあり | 転職活動、スキルの言い換え | 新しい環境に挑戦したい人 |
| ⑤フィットネス・独立 | 多め | 独立すると実力しだいで大きく変わる | 資格、集客の準備 | 自分の力で稼ぎたい人 |
| ⑥副業 | 本業に上乗せ | 本業の収入にプラスできる | 就業規則の確認、時間の確保 | 今の仕事を続けながら備えたい人 |
※収入は職場や地域によって大きく異なります。目安としてご覧ください。
選択肢が見えるだけで、今の職場で働く気持ちは驚くほど軽くなります。
理学療法士のセカンドキャリアに役立つ資格
臨床の幅を広げる資格(認定理学療法士・専門理学療法士など)
日本理学療法士協会の認定理学療法士や専門理学療法士は、臨床を続ける人にとって専門性を示せる資格です。
ただし、資格手当がつくかどうかは職場によって違います。取る前に、今の職場や転職したい職場で評価されるかを確認しておきましょう。
介護分野で活かせる資格(介護支援専門員=ケアマネージャー)
選択肢③で紹介したケアマネージャーの資格です。理学療法士として5年以上働けば受験できるため、経験年数がそのまま次のキャリアにつながります。臨床を続けながら取得を目指せるのも魅力です。
一般企業への転職に役立つ資格(福祉用具専門相談員・福祉住環境コーディネーターなど)
福祉用具専門相談員は、理学療法士であれば講習を受けなくても従事できる仕事です。福祉用具の会社への転職では、理学療法士の資格そのものが強みになります。
福祉住環境コーディネーターは、手すりの設置や段差の解消など、住宅改修の提案に役立つ資格です。介護業界や住宅業界で活かせます。
フィットネス・独立に役立つ資格(NSCA-CPT・健康運動指導士など)
NSCA-CPTや健康運動指導士は、トレーナーとして活動するときの信頼につながる資格です。解剖学や運動学の知識がある理学療法士とは相性が良いです。
資格を取る前に「何に使うか」を決めておく
注意したいのは、資格を取ること自体が目的になってしまうことです。気になる求人を見て、「歓迎される資格」に書かれているかを確認してから取るのがおすすめです。
資格は「お守り」ではなく「道具」です。使う場面が決まってから取りましょう。
セカンドキャリアで後悔しないための解決方法
「何を手放したいか」を先に決める
「何をしたいか」が分からなくても大丈夫です。まずは「何を手放したいか」を決めましょう。
キャリア相談の場でも、「やりたいこと」より「やめたいこと」から考えた方が、答えが出やすいものです。
- 体力的な負担を減らしたい → 外来クリニック、ケアマネージャー、一般企業
- 給料を上げたい → 副業、企業の営業職
- 人間関係を変えたい → 職場を変える、独立
手放したいものがはっきりすると、選ぶべき道は自然と絞られていきます。
臨床で身につけたスキルを棚卸しする
「やってきたこと」を書き出し、それを「病院の外の言葉」に言い換えてみましょう。
例えば「術後の患者さんに自主トレを指導してきた」なら、「相手に合わせて説明を変え、行動を続けてもらう支援ができる」と言い換えられます。これは営業職やトレーナー、ヘルスケア企業でも求められる力です。
臨床を続けながら小さく試す
いきなり辞める必要はありません。求人を見てみる、副業を始めてみる、気になる企業の話を聞いてみる。こうした小さな行動を、働きながら積み重ねていきましょう。
一番のリスクは、何もしないまま年齢だけを重ねることです。
今日からできる3つのアクション
アクション①:今の不満と、自分のスキルを書き出す
今の職場の不満と、次の働き方で譲れない条件を書き出してみましょう。年収、休み、通勤時間、関わりたい分野など、思いつくままで大丈夫です。
私が2年目に転職したときは、「残業の多さ」「希望の分野に早く行きたい」「休みが固定されていない」「出世の道がない」という不満を整理したことで、次の職場に求める条件がはっきりしました。
あわせて、臨床でやってきたことも書き出しましょう。「解決方法」で紹介したように、それを病院の外の言葉に言い換えてみると、自分にどんな仕事の可能性があるのかが見えてきます。
アクション②:転職サイトは「リハビリ専門」と「一般企業向け」の両方に登録する
転職サイトへの登録は、「すぐ辞める」という意味ではありません。今の自分にどんな求人があるのかを知るための作業です。
私は4年目にレバウェルリハビリに登録しました。登録フォームの入力項目は8つだけで、現在の職場を入力する欄はありませんでした。職場に知られるのが不安な人でも、気軽に登録できると思います。
担当者は30代くらいの男性で、落ち着いた丁寧な対応でした。ただ、提案された求人は訪問リハビリやデイケアが中心で、私が希望していた整形外科の外来とはズレがありました。今の職場の条件も良かったため、結果として転職はしていません。
レバウェルリハビリは介護保険分野の求人に強い印象です。急性期や回復期など医療保険分野を希望するなら、他社と複数登録して比べるのがおすすめです。
そして、一般企業への転職も少しでも考えているなら、一般企業向けの転職エージェントにも登録しておきましょう。リハビリ専門の転職サイトでは「理学療法士として働き続ける道」が、一般企業向けの転職エージェントでは「病院の外に出る道」が見えてきます。
両方の求人を見比べることで、視野がぐっと広がり、自分に合った道を選びやすくなります。
登録は「辞める決意」ではなく、「今の自分の立ち位置を知る作業」です。
アクション③:副業ブログで「病院の外で稼ぐ経験」をする
私は転職と並行してブログを始めました。ブログは、理学療法士としての経験を文章にして、病院の外で収益を得る経験ができる副業です。
初期費用が小さく、働きながら自分のペースで続けられます。さらに、自分の経験を記事にすること自体が、スキルの棚卸しにもなります。
病院の外で稼いだ1円は、どんな資格よりも自信になります。
まとめ:セカンドキャリアの第一歩には副業ブログがおすすめ
理学療法士のセカンドキャリアで大切なのは、辞めるかどうかを今すぐ決めることではなく、いつでも選べる状態を作っておくことです。
- 悩むのは、真剣に働いてきた証拠
- うまくいかない原因は「給料の仕組み」「スキルを言葉にできない」「辞めてから準備する」の3つ
- 選択肢は、臨床を続ける道からケアマネージャー、一般企業、独立、副業まで幅広い
- まずは不満とスキルの書き出し、2種類の転職サイトへの登録、副業ブログの3つから始める
中でも、おすすめの副業はブログです。臨床を続けながら始められて、病院の外で稼ぐ経験と、自分のスキルを言葉にする力が同時に身につきます。
セカンドキャリアは「いつか」ではなく、「今日」から始められます。

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