「この給料で、本当にやっていけるのかな」
「一人暮らしでもカツカツなのに、結婚なんて考えられない」
「奨学金を返し終わる頃には、もう30代後半だ」
私は2年目で限界を感じて転職しましたが、悩みの中心はまさに給料と将来性でした。通帳を見るたびに、この先どうなるんだろうと不安になる感覚。痛いほど分かります。当時の職場は上層部がほとんど外部からの採用で占められていて、正直この先どれだけ頑張っても評価される道が見えないと感じていましたし、早く専門性の高い理学療法士になりたいという焦りもありました。
そこで20代のうちに、自分の強みや興味が見つかったら迷わず伸ばすべきだと考え、「キャリアは整形外科分野をきわめる!」と決めて環境を変えました。すると入退院の書類からも解放され、残業もなくなり、休みの日に勉強会へ行く気力も戻ってきたんです。勉強する時間が増えたことで、職場の中でも臨床、業務改善、訪問リハビリなど、様々な分野にチャレンジできるようになりました。
この記事では、理学療法士の給料で実際に生活できるのかを、一人暮らし・結婚後・共働きの3つのモデルケースで家計を数字にしながら検証し、給料が上がらない構造的な原因と今日からできる打ち手までを、転職経験のある現役PTが解説します。
読み終わる頃には、「なんとなく不安」だったものが「毎月いくら足りないのか」という具体的な数字に変わり、次に何をすればいいかが決まっているはずです。
給料日に通帳を見てため息が出た人、この先の生活が不安な人は、ぜひ最後まで読んでください。
生活が苦しいのは、あなたのやりくりが下手だからではなく「構造」の問題です。
【結論】理学療法士が生活を変えるためにやる3つのアクション
まず結論からお伝えします。理学療法士の給料でも、生活そのものは成り立ちます。ただし、何もしなければ貯蓄と将来の余裕は生まれません。悩み続けるより、この3つを順番にやってみてください。どれも今日から、お金をかけずにできます。
アクション①:自分の職場の昇給カーブを確認する
就業規則や給与規定を見れば、10年後の自分の給料はほぼ正確に計算できます。「なんとなく上がらない気がする」ではなく、数字で確認することが第一歩です。
私も前職でこれをやって、「ここで頑張り続けても、望む未来にはならない」とはっきり分かりました。ショックですが、そのおかげで動く決心がつきました。
アクション②:自分の市場価値を調べる
「市場価値を調べる」と言っても、自分ではなかなか判断できませんよね。実は一番手っ取り早いのは、転職エージェントに聞いてしまうことです。
経験年数・これまで担当してきた分野・持っている資格やスキルをもとに、「あなたなら今、どのくらいの条件の求人に手が届くか」をプロが具体的に教えてくれます。求人票を眺めるだけでは分からない、リアルな相場観が手に入るんです。
私も相談したとき、自分では「まだ経験が浅いし…」と思っていたキャリアが、職場によっては十分評価されると知って驚きました。「今の職場しか知らない」状態が、実は一番危険です。
リハビリ職専門のレバウェルリハビリなら、転職するか決めていない段階でも、無料で相談だけでもOKです。
アクション③:月5,000円でいいので副業を始めてみる
金額よりも、「給料以外の収入がある」という精神的な余裕のほうがずっと大きいです。
本業の給料が構造的に伸びないなら、伸びる場所を外に作ればいい。
私はブログを選びました。自分の転職経験や臨床経験が、そのまま記事という資産になります。
ここからは、理学療法士の給料で実際に生活できるのか、そしてなぜその給料が上がらないのかを、数字で見ていきます。
理学療法士の給料の現実:データで見る
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の平均年収は約443.6万円(月収約30.9万円+賞与約71.7万円)です。日本の給与所得者全体の平均と比べて特別低いわけではありませんが、問題は「伸び方」です。
20〜24歳の平均が約336万円、ピークの55〜59歳でも約570万円。30年以上働いてようやく+約234万円という緩やかなカーブです。しかも近年、この伸びはさらに鈍化する要因を抱えています。
頑張りが数字に反映されない仕組みの中で、頑張り続けるのは誰だって消耗します。
理学療法士の給料で生活できる?3つのモデルケースで検証
平均年収だけ見せられても、自分の生活には置き換えづらいですよね。ここでは手取りベースで、よくある3つのパターンを家計にしてみます。(家賃相場や奨学金の有無で変わるので、あくまでモデルケースとして見てください)
ケース①:20代・一人暮らし(月の手取り約21万円)
- 家賃:6.5万円
- 食費:4万円
- 水道光熱費・通信費:2.2万円
- 奨学金の返済:1.5万円
- 日用品・雑費:1.5万円
- 交際費・趣味:2.5万円
支出は約18.2万円。手元に残るのは月3万円弱です。生活自体はできます。ただし、ここに車の維持費や急な冠婚葬祭が乗ると、貯蓄はあっさりゼロになります。
特に効いてくるのが奨学金です。養成校は学費が高く、月1.5〜2万円を10年以上返し続けている人は珍しくありません。同世代の他職種と比べて、スタートラインからマイナスを背負っている状態です。
ケース②:30代・結婚して配偶者は働いていない(月の手取り約23万円)
- 家賃:8万円
- 食費:6万円
- 水道光熱費・通信費:2.5万円
- 奨学金の返済:1.5万円
- 保険:1.5万円
- 日用品・雑費:2万円
支出は約21.5万円。毎月はほぼ収支トントンで、実質的な貯蓄は賞与(手取りで年約57万円)頼みになります。ここに子どもが生まれて保育料や教育費が乗れば、その賞与も消えていきます。
「食べていける」と「将来に備えられる」は、まったく別の話です。
ケース③:共働き(世帯の手取り約39万円)
配偶者の手取りが18万円あるだけで、景色は一変します。同じ支出でも月15万円以上の余力が生まれ、教育費も住宅ローンも現実的な選択肢になります。私自身も、生活の安定という意味では共働きの影響が一番大きいと感じています。
つまり、理学療法士1馬力で家族を養うことは不可能ではありません。でも、貯蓄・教育費・老後まで含めると相当タイトです。
問題は「今月の生活」ではなく「10年後の生活」です。
そしてこの1馬力の金額が、30年働いてもほとんど増えない。次は、その理由を見ていきます。
給料が上がらない、構造的な原因は3つ
原因①:診療報酬の「単位制」という天井
リハビリは1単位20分、1日の算定上限も決まっています。つまり、どれだけ腕を磨いても、理学療法士1人が生み出せる売上には明確な上限があるんです。売上の天井が決まっている以上、職場がどれだけ頑張っても人件費に回せる原資は増えません。これは職場の問題ではなく、制度の問題です。
原因②:理学療法士の供給過多
養成校の増加により、理学療法士の数は毎年1万人前後のペースで増え続けています。
需要より供給が増えれば、給与水準に下押し圧力がかかるのは市場の原理です。
「資格を持っているだけ」の価値は、年々下がっています。
原因③:評価制度が「年功」のまま
多くの病院・施設では、臨床スキルや実績を給与に反映する仕組みがありません。新人指導をしても、委員会を回しても、昇給は一律。「何をしても同じ」なら、給料が上がらないのは当然の帰結です。
解決方法:構造の中で戦うか、構造の外に出るか
原因が構造にある以上、打ち手も構造に合わせて考える必要があります。選択肢は大きく3つです。
- 給与体系の良い職場に移る:同じPTでも、職場が変われば年収は数十万円単位で変わります。整形外科クリニック、訪問リハ、自費領域など、診療報酬への依存度が低い職場ほど給与の自由度は高い傾向があります。私自身も整形外科クリニックへの転職で、働き方と収入の両方が改善しました。
- 役職・専門性で構造の上位に行く:管理職や教育担当など、単位数以外で価値を出すポジションを狙う道。ただし椅子の数は限られています。
- 収入の柱を増やす:本業の給料が構造的に伸びないなら、伸びる場所を外に作る。副業です。
「今の職場で我慢する」だけが選択肢に見えているなら、それは選択肢を知らないだけです。
職場を変える選択肢について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
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まとめ:生活が苦しいのは構造。でも、動けば変えられる
単位制の天井、供給過多、年功の評価制度。
この3つがある限り、「今の場所でただ頑張る」だけでは生活に余裕は生まれません。でも、職場を選び直すこと、収入の柱を増やすことは、今日から始められます。
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